業務用エアコンに
関連する主要な法律
株式会社エストック
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第1章:業務用エアコンに関連する主要な法律一覧

業務用エアコンの設置・運用・廃棄に関わる法律は、多岐にわたります。中小企業にとってもこれらの法令を正しく理解し、対応することは「経営リスクの回避」「社会的責任の履行」という観点から重要です。

以下は、特に業務用空調に関して関係性が深い法律群です。

  • 省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)空調設備のエネルギー使用量が多い事業者は、エネルギー管理体制の整備や定期報告が求められます。
  • 建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律):新築や大規模改修を行う際の設計基準に空調設備の性能が含まれます。
  • フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律):冷媒として使用されるフロン類の漏えい防止や定期点検が義務化されています。
  • 労働安全衛生法:業務用エアコンの設置作業における高所作業、重量物取り扱い、電気工事等が労働災害の対象となるため、施工時の安全管理が必要です。
  • 消防法:空調機器が防火区画を貫通する場合の防火ダンパー設置義務、排煙装置との連携確認などが必要になるケースがあります。

これらの法律が適用されるフェーズは、「設計・購入」「設置・稼働」「運用・保守」「廃棄・更新」と多岐にわたり、社内の担当者任せにせず、経営者自身もその存在と要点を理解しておくことが重要です。

次章からは、それぞれの法律の詳細と中小企業に求められる具体的な対応策を詳しく見ていきます。

第2章:省エネ法の基礎知識

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)は、企業活動におけるエネルギー使用の合理化を図るための法律で、特に事業者単位のエネルギー使用量が多い企業には義務が課せられます。原油換算で年間1,500kl以上を使用する場合、「特定事業者」として指定され、省エネの取組状況を定期的に報告しなければなりません。

たとえば、オフィスビル・飲食チェーン・医療施設など、業務用エアコンが電力消費の大部分を占める業態では、空調設備の運用方法が省エネ法の遵守に直結します。

主な義務内容:

  • エネルギー管理統括者・管理員の選任
  • 定期的なエネルギー使用量の報告(年度ベース)
  • 省エネ計画書の策定およびPDCAサイクルの実施
  • 改善命令・勧告に従わなかった場合の社名公表

また、中小規模事業者であっても、自治体によっては省エネ取組報告を推奨・指導しているケースもあり、業界内での取引においても「環境対応の透明性」が評価される時代です。

対応策としては、エアコンの効率的運用(適正温度・運転時間・設定管理)だけでなく、高効率機種への更新や、空調ゾーン分けによる電力の平準化が有効とされます。

省エネ法は単なる法律ではなく、「コスト削減と経営改善」を実現するツールとして捉え、戦略的に取り組むことが求められます。

第3章:建築物省エネ法とエアコン設備の関係

建築物省エネ法(正式名称:建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)は、建築物におけるエネルギー消費の最適化を目指す法律です。特に空調・換気・照明などの設備を含め、建物全体の省エネ性能が評価されます。

非住宅用途(店舗、事務所、医療施設など)において、延床面積300㎡以上の新築・増築には、省エネ基準への適合が法的に義務づけられており、「適合判定」の取得が必要です。建築確認時点で、空調機器の能力や配置も評価対象に含まれるため、設計段階から空調設備の省エネ性を意識した選定が不可欠です。

主な制度概要:

  • 適合義務制度: 延床300㎡以上の新築建築物は、省エネ基準への適合が義務づけられる
  • 届出制度: 延床300㎡以上の改修・用途変更時も、届出が必要なケースがある
  • 性能評価書の提出: 建築主・設計者がエネルギー消費性能を数値化し、確認申請に添付

特に中小企業が自社オフィス・店舗を新築する場合、建築士と連携しながら空調機器選定・レイアウト・外皮性能(断熱材や窓ガラスの仕様)などを早期から調整することが重要です。

省エネ基準への不適合は「建築確認不承認」につながるため、ビジネススケジュールや資金調達にも影響を与える可能性があります。

つまり、建築物省エネ法への対応は「技術的な課題」であると同時に「経営戦略上の要点」でもあるのです。

第4章:フロン排出抑制法と管理者の義務

業務用エアコンの冷媒として多く使用されるフロン類は、CO₂の数百〜数千倍もの温室効果を持ち、地球温暖化の大きな原因とされています。そのため、2015年に制定された「フロン排出抑制法」では、機器の使用者(=管理者)に対して多くの義務が課されています。

対象となる機器

業務用のパッケージエアコン、冷凍冷蔵設備、ビル用マルチエアコンなど、冷媒充填量が一定以上の機器すべてが対象です。

管理者の義務一覧

  • 簡易点検: 目視・聴音による外観チェックを3か月ごとに実施
  • 定期点検: 冷媒充填量50トンCO₂換算以上の機器は年1回以上の専門点検が必要
  • 漏えいの記録・報告: 点検・補修履歴を「機器管理簿」に記載し、5年間保存
  • 廃棄時の冷媒回収・委託証明: 廃棄物処理業者に冷媒回収を委託し、回収証明を取得

これらの義務を怠ると、環境省や都道府県からの指導・命令の対象となり、最悪の場合は罰則・社名公表に至ることもあります。

対応としては、有資格の冷媒管理業者との契約や、クラウド型の点検記録管理ツールの導入が有効です。日常点検の仕組みを社内に定着させ、法令違反のリスクを未然に防ぎましょう。

第5章:違反した場合の罰則とリスク

業務用エアコンに関わる法律は年々厳格化されており、違反した場合には以下のような法的措置や社会的制裁を受ける可能性があります。

  • 省エネ法違反: 指導・勧告→是正命令→社名公表。従わなければ100万円以下の罰金が科される場合があります。
  • 建築物省エネ法違反: 設計・建築において適合判定を通過できず、最悪の場合は工事の着工・引渡しが不可能になります。
  • フロン排出抑制法違反: 点検や記録義務を怠る、故障・漏えいを放置すると最大50万円の罰金、社名公表対象になります。

これらの法令違反は、単に罰金が発生するだけでなく、行政文書に基づく「是正命令」や「指導報告書の提出命令」、更にはメディアや自治体の広報誌などでの社名公表といった深刻な影響を及ぼします。

企業イメージの悪化、取引先からの信用喪失、金融機関の融資判断への影響など、経営全体に及ぶ波及リスクが非常に高いため、法令遵守は“守るべきコスト”ではなく“守らなければ損をする資産”と捉えることが重要です。

第6章:法改正・規制動向の把握と対応

業務用エアコンに関連する法令は、地球温暖化対策や国際的な環境基準に対応する形で、毎年のように見直し・改正が加えられています。中小企業においても、これらの動向を継続的に把握し、柔軟に対応できる体制構築が求められています。

近年の主要な改正動向

  • 2022年: 建築物省エネ法における適合義務の対象拡大(300㎡以上→一部の小規模施設にも適用)
  • 2024年: フロン排出抑制法の対象冷媒拡大、GWP(地球温暖化係数)の高い冷媒の段階的削減方針
  • 2025年以降: 空調・照明を含むビル全体のZEB対応(ゼロエネルギービル)の義務化検討

情報収集の手段

  • 国土交通省・環境省・経済産業省の公式発表・ニュースリリース
  • 地方自治体・業界団体が実施する無料セミナー・法改正説明会
  • 冷凍空調設備工業会(JRAIA)などの業界資料やガイドライン
  • 顧問税理士・建築士・保守管理会社との連携体制

対応力のある企業は、単に法令に適合するだけでなく、補助金活用やSDGs・ESGの観点での企業価値向上にもつなげています。経営戦略の一環として、法改正の“先読み”を意識することが差別化ポイントとなるでしょう。

第7章:中小企業がとるべき具体的な行動

法令に基づいた対応を怠ることは、罰則リスクだけでなく、事業の信頼性や継続性にも大きく関わります。特に人員や予算に限りがある中小企業こそ、ポイントを押さえた対応が重要です。

すぐにできる5つのアクションプラン

  1. 設備一覧と管理簿の整備
    保有している業務用エアコンの台数・機種・冷媒種・設置年などを一覧化し、点検や記録の有無をチェックしましょう。
  2. 点検・保守のスケジューリング
    簡易点検・定期点検の実施予定を年間スケジュールに組み込み、責任担当を明確化するだけでも違反リスクが大きく軽減されます。
  3. 新設・更新時の選定基準の見直し
    機器の購入や入替を行う際には、GWP(地球温暖化係数)や省エネ性能の高い機種を基準とし、フロン法・省エネ法の適合性を最優先で確認しましょう。
  4. 業者選定・契約書類の点検
    メンテナンス契約書や廃棄委託書に「冷媒回収」や「管理簿提出」等の義務が盛り込まれているか確認。法令対応が可能な業者と連携することが前提です。
  5. 補助金・支援制度の活用
    省エネ設備導入やZEB改修に関連する国・自治体の補助金情報を定期的に確認し、必要に応じて申請を進めましょう。

対応を“やらされ業務”にせず、“経営改善の起点”として捉えることで、コスト削減やブランディングにも波及効果が期待できます。

まとめ:法律遵守は経営リスクの“予防策”である

業務用エアコンの導入・運用に関する法令対応は、単なる義務ではなく「トラブル回避」と「企業価値向上」の手段でもあります。

特に中小企業においては、信頼性・安全性・継続性が重要視される中で、環境・エネルギー法令への正しい対応が、長期的な事業安定につながるといえます。

✅「知らなかった」では済まされない時代。今こそ、法対応を“経営の武器”に変えましょう。

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